
資産形成として投資を始める人が増えていますが、FXに興味を持っている人もいるでしょう。
歴史的な円安が進む中で、利益を出すチャンスになるかもしれません。
ただ、FXを始める前に、最低限の知識を身につけておく必要があります。
本記事では、FXを始めるにあたって、知っておくべき基本的なことを簡単にまとめてみました。
FXで利益を出す仕組み
FXは「Foreign Exchange」で、正式には外国為替証拠金取引と言います。
ドルやユーロなどの外貨を売買するというものです。
そして、FXで生み出す利益は次の2つに大別できます。
為替差益
為替差益は、外貨を買ったときと売ったときの為替レートの差で得られる利益のことです。
例えば、1ドル147円20銭のときに1万ドルを買い、1ドル147円70銭になったときに売れば、5,000円の利益が得られます。
スワップポイント
スワップポイントは、買った通貨と売った通貨の金利差の分を支払われるというものです。
例えば、円を売ってドルを買う場合には、アメリカと日本の金利差の分だけスワップポイントが付与されます。
ただし、スワップポイントが付与されるのは、日を跨いで建玉を保有していた場合のみです。
また、買う通貨よりも売る通貨の金利が高い場合には、スワップポイントはマイナスになるため支払うことになります。
外貨預金とはどう違うのか
FXは外貨預金とよく似ていますが、主に次のような点が異なります。
元手よりも大きな金額の取引が可能
外貨預金では、元手の金額の範囲内でしか外貨を買うことができません。
これに対して、FXは証拠金という形で預けた資金に対して、最大25倍の金額の取引が可能です。
レバレッジ効果と言って、FXの魅力でもあります。
売りからでも取引できる
外貨預金では保有していない通貨を売ることはできませんが、FXなら売りから取引を始めることも可能です。
円に対してレートが下がりそうな通貨があれば、利益を出すチャンスになるでしょう。
FXの主な注文方法
FXの注文方法は業者によって対応状況が異なりますが、主に次のようなものがあります。
成行注文
成行注文は、レートを指定せずに出す注文方法です。
すぐに約定しますが、レートはやや不利になってしまうこともあります。
また、FXにおいて約定というのは取引が成立することです。
指値注文
指値注文は、現在のレートよりも有利なレートを指定して出す注文方法のことです。
買い注文なら現在よりも安いレートを、売り注文なら高いレートを指定します。
指定したレートまで動けば約定しますが、そこまで動かなければ約定することはありません。
逆指値注文
逆指値注文は現在のレートよりも不利なレートを指定して出す注文方法のことです。
ただし、指値注文とは異なり、指定したレートで約定するとは限りません。
指定したレートに達すると成行注文が出される仕組みで、やや不利な方向に動いてから約定することが多いです。
OCO注文
OCO注文は、指値注文と逆指値注文を同時に出せる注文方法です。
どちらか一方が約定すると、もう一方は自動的に取り消されます。
IFD注文
IFD注文は新規注文と決済注文を最初からセットにして出せる注文方法です。
例えば、新規注文を指値注文で行い、決済注文を逆指値注文で行うという使い方ができます。
FX初心者が注意すべきこと
FXを始めるにあたって次のような点に注意が必要です。
決済しないと利益は実現しない
FXで建玉と同じ方向に為替が動けば、含み益ができます。
FX業者によっては、評価損益や損益評価額のように表示されますが、数字がプラスなら含み益と同じ意味です。
含み益がある状態の建玉を決済すると、FXの利益として確定します。
しかし、含み益ができても決済しないままだと実際の利益にはなりません。
確定しないうちに為替が逆方向に動いてしまうこともあります。
そのため、ある程度の含み益ができたら、こまめに決済しておくのが無難です。
損切りが必要な場面もある
FXでは、建玉を作った方向と逆方向に為替レートが進んでしまうことがあります。
そのようなときにできるのが含み損です。含み損がある状態の建玉を決済すると、損失が確定して証拠金が減ります。
決済しなければレートが戻って含み益に転じることもありますが、さらに含み損が増えることもあるため注意が必要です。
リスクを抑えるためには、含み損が小さいうちに損切りという形で決済しておくことも大事です。
強制ロスカット
含み損があまりにも大きくなると、強制ロスカットと言って注文を出していなくても自動的に決済されてしまいます。
強制ロスカットの基準はFX業者によって異なりますが、証拠金の大半が失われてしまうため注意しましょう。
経済指標発表直後の急変動
各国の雇用統計や消費者物価指数、実質GDP、政策金利などの経済指標が定期的に発表されます。
発表直後は為替レートが急変動することが多いです。
特に市場予想との差が大きい数値だと、変動幅も大きくなりやすいため注意しましょう。
初心者のうちは少額で行う
FXはレバレッジ効果を利用できる性質上、リスクも大きくなります。
そのため、初心者のうちはあまり大きな金額でトレードをするのは避けた方がいいでしょう。
まずは少額で始めてみて、慣れてきたら少しずつ金額を増やしていくのが無難です。
まとめ
FXは為替を利用して利益を出す投資方法です。
外貨預金と異なり、元手よりも大きな取引が可能で、売りから始めることもできます。
しかし、初心者のうちは、利益確定や損切りのタイミングが難しいことも多いです。
経済指標の発表直後にロスカットに遭ってしまうこともあるでしょう。
そのため、まずは少額で始めてみて、トレードしながら少しずつ慣らしていくのがおすすめです。